HIV感染とは、体の中にHIV(ヒト免疫不全ウイルス)が存在している状態をいいます。
HIVは、感染している人の血液、精液、膣(ちつ)分泌液、母乳に主に含まれ、粘膜や傷口を通して人の体に入り、感染を引き起こします。HIV感染でもっとも多いのは、性行為による感染です。
HIVに感染して2~4週間経過すると、発熱、咽頭痛、筋肉痛など、インフルエンザ様の症状が出てきます。これらの症状は多くの場合、自然に消えます。また、無症状のこともあります。
体の免疫力により、ウイルスの量はある一定のレベルまで減少したところで安定し、その後、数年~10数年程度は症状がなく経過します。
エイズとは、HIV感染により免疫力が低下し、健康な時にはかからない弱い病原体によってもかかる日和見感染症(ニューモシスチス肺炎や食道カンジダ症など)や悪性腫瘍の症状が現れた状態をいいます。
HIV感染症とエイズの治療は急速に進歩しました。
このことにより、HIVというウイルスが体内で増えるのを抑えながら付き合っていく慢性疾患としての面が大きくなっています。治療を続けながら、自分らしい生活を継続していくことができます。
そのためにも、早期発見と早期治療がとても大切です。