過活動膀胱は、尿を溜めるという膀胱機能の障害で、膀胱に尿が十分に溜まっていないのに、自分の意思とは関係なく膀胱が勝手に収縮する病気です。急に尿がしたくなって我慢ができず(尿意切迫感)、トイレに何回も行くようになります(頻尿)。また、尿が間に合わずにもれてしまうこともあります(切迫性尿失禁)。
脳出血や脳梗塞、パーキンソン病などの脳疾患や、脊髄の障害のために、膀胱のコントロールが正常に行われなくなった場合や、加齢のよる膀胱機能の変化、出産や加齢により骨盤底筋が弱くなった場合などで起こるケースがありますが、原因が不明のことも少なくありません。
過活動膀胱は、症状(尿意切迫感と頻尿)で判断しますが、これは過活動膀胱症状スコア(OABSS)と呼ばれる問診票を使ってセルフチェックすることができます。また、尿検査や、超音波検査による残尿測定検査なども行います。これらはいずれも痛みや苦痛を伴わないため、安心して受けていただくことができます。
治療は内服薬が主になりますが、併せて膀胱訓練や骨盤底筋体操を行います。
最近では、過活動膀胱に有効な薬がたくさんあり、その人に合った薬を選んで治療します。
また、体質に合った漢方薬が有効な場合もあります。
膀胱訓練や骨盤底筋体操は、自宅でひとりで出来るので、内服薬と併せて続けることで、より効果が得られます。